ギリシア神話-04-
神々対怪物

 さて、「巨人族」ギガンテスだが、頭目のエンケラドス(轟音)を筆頭に、トゥーリオス(激烈)、ヒュペルビオス(驕り)、アグリオス(野蛮)、トオーン(速さ)、アルキュオネウス、ポリュピュリオーン、エピアルテース、エウリュトス、クリュティオス、ミマース、ヒッポリュトス、パラース、ポリュボーテース、ポイトス、ガイオーン、グラティオーン、などなど。挙げればキリが無いほどの数だったらしい。
 そんな大人数のギガンテス達を差し向けられたオリンポスの神々は、「人間の力を借りなければギガンテスには勝てないであろう」という予言に従って、英雄ヘラクレスを呼び寄せる。そして、それぞれが得意の神器を携えて準備万端、戦の用意を整えた。

 決戦の地は、プレグラーの野。

 ヘラクレスの弓矢が遠方から射られ、開戦の狼煙があがった。

 アイギスの盾を手にゼウスが暗闇を呼び寄せると、ギガンテス達は光を奪われパニックに陥ってしまった。オリンポスの神々英雄ヘラクレスは、そこをすかさず攻め入り、ギガンテス達を様々な神器を使ってなぎ倒した。
 ガイア(大地)は、ギガンテス達が(あっけなく)やられてしまったのを知ると、今度はタルタロス(地底の霞)と交わり、テュポーエウスという巨大で怖ろしい怪物を産み出し、またもや、オリンポスへと攻め込ませた。轟音と暴風に包まれながら、天の宮殿に近づいて行くテュポーエウス。しかし、ゼウスは雷をもってテュポーエウスの百の頭を焼き尽くし、シチリア島の地の底へと埋めてしまう。

 こうして、幾度と無く放たれた刺客を打ち破り、オリンポスの神々の統治の世界がやっと幕を開けたのである。
 
まとめ 〜そして人類〜

 はてさて、カオスからガイアが生まれ、ガイアがタルタロスと交わってウラヌスが生まれる。
ガイアとウラヌスが交わって、さまざまな巨人(ティターン)族を生む。
その後、ガイアが生み出したヘカトンケイレス一族をウラヌスが忌み嫌い封じ込めたために確執が生まれ、ガイヤ命令の元、末の息子クロノスがウラヌスを討つ。

 新しい支配者となったクロノスは、姉のレイアーを妻とし子を儲けるが、「クロノスもまた我が子にその座を奪われるであろう」という予言を気にして、生まれ出る子を次々と飲み込んでしまう。
悲しんだレイアーは、一番最後の子ゼウスを巧みに隠しクロノスを騙すことに成功する。
ゼウスが成長すると、ガイアがクロノスに毒を飲ませ、以前飲み込んだ子達を吐き出させる。その子達とゼウスはキュプロープス(一つ目)一族とヘカトンケイレス一族を味方につけ、クロノス率いる巨人(ティターン)族に戦いを挑む。
十年にも及ぶ戦いの末、ゼウスたちは、クロノスたち巨人(ティターン)族を地底の霞に閉じ込め、勝利を手にする。そして、支配者となりオリンポスに居を構えた。

 平和になるかと思われたのだが、閉じ込められてしまった巨人(ティターン)族を不憫に思ったガイアが、大巨人(ギガンテス)を刺客としてオリンポスに送り込んできた。
オリンポスの神々は「人間の力を借りなければ勝利できないであろう」という予言を受け、ヘラクレスを呼び寄せ大巨人(ギガンテス)を撃破する。
大巨人(ギガンテス)が負けたことを知ったガイアは、今度は怪物を送り込む。が、オリンポスの神々はこれも撃破し、ようやく平和が訪れた。

 という話だが、
神とともに戦ったヘラクレスは人間。
人間は、いつどうやって生まれたのだろう?
ギガンテスと戦う前だから、十年戦争後あたりだろうか?戦争中はそれどころじゃないだろうし。
ギリシア神話においての人類創造の話は、
・オリンポスの神々が作った。
・ゼウスが作った。
・プロメテウスが土をこねて作った。
・プロメテウスの子が人類の祖である。(デウカリオーン)
・ガイア(大地)から生まれ出た。(ゲーゲネス)
と、諸説ある。しかも、わりと曖昧だ。
ともあれ、人類はギガンテス戦時には存在していたわけです。
神とともに。
 
オリンポスの神々

 イーコルという神の血が流れるその体は、もちろん不死である。
 アンプロシアという神の食物を食し、ネクタルという神の水を飲む。
 オリンポス山の雲の上にあるというその宮殿では、絶えることのない饗宴が行なわれているという。
 そして、下界で暮らす人間達を眺めては、手を差し伸べたり、制裁を与えたりするのである。

 人間達は、オリンポスの神々の中から十二の神を主軸に選び、「オリンポスの十二神」と呼んで崇め奉った。
 次項からは、その「オリンポスの十二神」を紹介していこう。
 

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