歴史

大量絶滅 / Mass extinction
 


 

地球上に生物が生まれてから現在に至るまで、実は生物の絶滅の危機が数回あったことが確認されている。

その数5回以上

何かしらの生命体が、その窮地を生き延びたおかげで、この記事を見ているあなたもこの記事を書いている私も存在しているのである。

なんとまあ、よくぞ生き残ってその種(命)を存続させてくれたものである。
 

クライオジェニアン氷河時代の全球凍結(スノーボールアース)
 7億2000万年前〜6億3500万年前 (8億5000万年前〜6億3000万年前 とする説もある)
 
生物の死滅規模
 
85%が死滅
この時代の生物
 
単細胞生物、多細胞生物
この時期の
    大陸状況
 
赤道近くにロディニア超大陸が形成されていたとされる
原因 1.地球全体がほぼ氷(氷床・氷海)に覆われたため
光合成を行う生物の激増により大気中の二酸化炭素濃度が低下
温室効果が減少されていき寒冷化が始まる
氷床が発達するにしたがって太陽光を反射する割合が増加し、寒冷化が加速していった
(太陽の活動力が現在よりも低かったため、地球内での日中温暖効果も低かったと思われる)
という説がある
 

オルドビス紀末
 4億4310万年前〜4億3100万年前ごろ
 
生物の死滅規模
 
85%が死滅
この時代の生物
 
三葉虫、オウム貝、魚類、サンゴなど
この時期の
    大陸状況
 
現在の南極域にあったであろうとされている
原因 1.超新星爆発(ガンマ線バースト)の影響

2.火山活動の激化

3.環境の激変
地球の寒冷化・温暖化が続いて起こり、氷河が発達・氷解
そのために、海水面高低変動が起こり、環境変化に対応できなかった生命が大量に死滅した
 

デボン紀後期
 3億7400万年前
 
生物の死滅規模
 
82%が死滅
この時代の生物
 
昆虫、サメ、甲冑魚など
この時期の
    大陸状況
 
現在の南極域にあったであろうとされている
原因 1.環境の激変
寒冷化と海洋無酸素事変

2.隕石の衝突
【ベルギー】
【中国南部】
上記箇所から小天体衝突の痕跡が発見されている〜今のところ生命絶滅との関連は不明〜
 

ペルム期末 PT境界〜Permian(ペルム紀)-Triassic(三畳紀) boundary(境界)〜
 2億2500万年前
 
生物の死滅規模
 
90%以上が死滅
この時代の生物
 
両生類、単弓類、昆虫、魚類など(中でも海生生物の被害が大きかったとされる)
この時期の
    大陸状況
 
ほぼすべての大陸が一か所に集まった状態のパンゲア超大陸の時代
原因 1. 隕石の衝突
【オーストラリア】
【南極付近】
上記箇所から小天体衝突の痕跡が発見されている

2.火山活動の激化
マントル対流の乱れから環境が激変し、火山活動が激化した

3.環境の激変
寒冷化により海面後退が起きて食物連鎖のバランスが大きく崩れた
 

三畳期末
 2億年前
 
生物の死滅規模
 
76%が死滅
この時代の生物
 
爬虫類、単弓類(絶滅)など
この時期の
    大陸状況
 
パンゲア超大陸が分裂し大西洋が形成される
原因 1.火山活動の激化
大規模な火山活動

2.隕石の衝突
【カナダ、ケベック州のマニクアンガン・クレータ、マニトバ州のセイント・マーティン・クレーター】
【フランス、ロシュショール・クレーター】
【ウクライナ、オボロン・クレーター】
【アメリカ、ノース・ダコタ州のレッド・ウイング・クレーター】
が挙げられている
破砕した天体(直径3.3〜7.8q程度)が数か所に落下(衝突)したとされる

3.寒冷化と海洋無酸素事変によるもの
 

白亜紀末
 6550万年前
 
生物の死滅規模
 
70%
この時代の生物
 
恐竜(ほぼ絶滅)、爬虫類など
この時期の
    大陸状況
 
パンゲア超大陸が6大陸へと分裂していく
原因 1隕石の衝突
【メキシコのユカタン半島沖】
上記箇所で、直径約180qのクレーターの痕跡が1990年代にみつかる
直径10〜15qの小惑星が衝突したのではないかと考えられている

2.火山活動の激化

3.病気(伝染病)
「隕石衝突以前から恐竜類の種としての絶滅が始まっている可能性がある」
「隕石衝突後もかなりの期間、恐竜は生き延びていた可能性がある」
「絶滅を免れた生物種(哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類など)がいるのはなぜか」
といったことから
恐竜類の絶滅自体は隕石衝突が原因とは言えず、なんらかの病気(伝染病の蔓延説や便秘説というのもある)が原因で絶滅したという説(証拠はないらしい)がある
 


 
   
生物の大量絶滅
何億年も前に起こったことが、人類がまだ生まれていない時代のことが、考古学、地質学の技量を持って明らかにされる。
それは、「そうである可能性が高い」という推論であり、絶対に正しいとは言い切れない。
しかし、何らかの証拠から生み出されたその理論は頭ごなしには否定できないものでもある。

生物大量絶滅の間隔をみてみると
1億9190万年 (始まり〜始まりの間は 2億7690万)
5700万年 (始まり〜始まりの間は 6910万年)
1億4900万年
2500万年
1億3450万年
となっている。

まだ発見されていない「生命大量絶滅」があるかもしれない(個人的には、確実にあるんじゃないかと思っている)が、
最長で1億91900万年、最短で2500万年の間隔で生命は大絶滅している。
現在から一番近い大絶滅が起きたとされているのが、6550万年前。
生命の大量絶滅が起こった時期は、今現在で分かっている過去の事例をみるとバラバラなので、周期というものはあるようには思えない。なので、「何年ごとに〜」といったものではなさそうだ。
ただし、過去の最短の間隔である2500万年はとっくに通り越しているので、いつまた大量絶滅が起きても不思議はないとは言えるのかも。
もしかしたら、それはもう始まっているのかもしれない。気が付いていないだけで・・・。
と、怖いことを言ってはみたが、
最長の間隔では2億年ぐらいあるのだから、達観しちゃってもいいのかもしれない。
定期的なものではないのだから予測はたてられませんわな。
ま、死ぬときには死ぬんだわ。誰でも、どんな生物でも。


生命の大量絶滅の原因のほうにはパターンはないのか?
と言えば、
ありそうな気はする。
だいたいは、
隕石衝突〜火山活動激化〜地球の寒冷化
のパターンだ
ちと、シミュレーションしてみる

1.隕石が衝突
2.直撃した地域にいる生物は死滅
3.衝突した隕石と衝突した場所の物質(+衝撃波)は広範囲に飛び散る(隕石が巨大であればあるほど物量と範囲は大きくなる)
4.隕石が落ちた場所に近ければ近いほど飛んでくる物体や衝撃波の影響を受ける
5.隕石が落ちた場所の近くに海や大きな湖があれば、津波が起こり巻き込まれた生物は死滅
6.隕石衝突で巻き上がった大量の粉塵により太陽光が遮断され地球寒冷化が始まる
7.(隕石というハンマーで殴られた)地球はマグマ活動を激化させる
8.火山活動による噴煙などで太陽光の遮断が強くなり地球寒冷化がすすむ
9.地球寒冷化により海面低下が起きる
10.地球寒冷化が収まるとともに海面上昇が始まり、環境変化に対応できなかった生物が死滅

という感じ?

恐竜が絶滅した白亜紀末の大量絶滅を引き起こしたとされる隕石の大きさは10,000m〜15,000m(10q〜15q)で、衝突エネルギーは広島に落とされた原爆10億個分だそうだ。

ちなみに、
地球には大気バリアがあるから、小さな隕石は大気摩擦で地表に到着する前に消滅するか、大きさも衝撃もかなり削られてしまう。
つっても、
「5mぐらいの隕石でも1都市を壊滅させる威力がある」ともいわれている。

隕石の大きさと落ちる場所によって被害はかなり変わってくるんでしょうな。

10qほどの隕石が衝突して寒冷化につながって・・・

ん?

でも、
「P/T境界の大絶滅」と「三畳紀末の大絶滅」の後には氷河時代が訪れていない
生物の大量絶滅を引き起こすほどの大きさの隕石が落ちたからと言って必ずしも大規模な寒冷化は起きないということなのか?
だとすれば、
生物の生息する全域に及ぶ大量絶滅の原因は「隕石の衝突」ではないということになってしまう。


三畳紀末の大量絶滅後の氷河時代が発見されていないだけ?
白亜紀末の大量絶滅、もしくは第四紀氷河時代の年代設定に間違いがある?


生物の大量絶滅の引き金として「隕石の衝突」が関係があまりないのならば、

何らかの原因で火山活動の激化が起こり
上記のシミュレーションの7〜10になっていく
ということだろう

その原因は
・超惑星爆発の影響(銀河同士がぶつかるということもあるそうだし)
・その時代に繁栄している生物の影響
なのだろうか

原因が何にしても
地球の大気の変化(温室効果による大気の大幅な寒暖移行)が起きると
生命の大量絶滅につながる


地球の歴史はそれを繰り返している
それは逃れられない

しかし、
表を見ると、大量絶滅の後にはなんらかの奇跡が起きている。

デボン紀後期の大量絶滅の後には、両生類が生まれ
P/T境界の大量絶滅の後には、恐竜や哺乳類が生まれ
三畳紀末の大量絶滅の後には、恐竜の大繁栄が起き
白亜紀の大量絶滅の後には、霊長類が生まれている。

もしかしたら
生命の進化には、大量絶滅という試練が必要なのかもしれない
  2020年2月5日記   

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