ギリシア神話‐01‐ |
はじめに |
なぜ、このようなコーナーを設けたかというと・・・・ただ単純に・・・「ギリシア神話が好きだから」である。
ギリシア神話に出会った小学生の頃から、何度も「ギリシア神話考察」やら「オリンポスの神々の系譜」やらを、学習ノートに鉛筆で書きなぐるという手法で作ったものです。そして、作ってみては「もっと綺麗にできないものか・・・」と、がっくりぐったりしたものです。
時は流れ、時代はIT(←すでに死語でしょうか?)。世捨て人同然のこんな私でも、PCを手に入れることが出来ました。
ホームページなんかを立ち上げてみちゃったりするうちに、少年時代の記憶がふつふつと湧き上がり、「PCなら簡単にできるんじゃないか?」なんて思ってしまい、うさばらしにこんなコーナーを設けた次第で御座います。
このコーナーを見たことによって、ギリシア神話に興味をもたれる方が一人でもいらっしゃったりしちゃったらしてやったり幸いで御座います。
「ん?これ、間違ってるんじゃねぇ〜か!?」ってなトコロがあっても、笑って許してやってください。
私は、学者さまとか、どこかの機関のエイジェントなどではございません。ただの学の無い小市民でございます。そんな愚か者の娯楽からできた産物なので、誤報・誤字・脱字などがあっても、大目に見てやってくださいマシ。
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2003・11 − 管理人 記
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ギリシア神話ってなんでしょう? |
古代ギリシア文明の時代、地中海沿岸の地域では複数の神々が存在していた。
日本でいうところの八百万の神というものに似ている信仰体系である。
どうして多神信仰が生まれたのかというと、
1.精霊信仰からの派生
全てのものに魂が宿っていていると考える精霊信仰が、時代を経て、精霊が神格化され複数神信仰になっていった。
2.権力者たちによる血脈の改ざん
古代の豪族たちは、「自分は神の子である(または、その子孫である)」ということを宣言するために、“家系図の頭の部分に神の名を記すといった行為”を好んで行なっていた。もちろん、豪族というのは一人や二人ではないので、神と人間の間に生まれた(ことになった)者が複数存在してくる。そんなこんなで、半神半人の祖先の生誕物語的な神話が(必然的に?)多数あるワケだ。
まあ、古代ギリシアに限らず、絶大な権力を持ったお方は「自分は特別なのよ。崇めなさい。」などという、ファシズムに神秘性を混ぜ混ぜしたようなでっち上げを民衆に流布したくなるものらしいです。
3.多種の信仰の融合
豪族が支配地域を拡大させていくと、豪族同士のせめぎ合い(戦争)が起こる。戦争に勝った側の信仰する神が、占領される側の信仰する神を飲み込む(融合・神同士の婚姻話)ということも起こったようである。
などが考えられる。
そんなこんなで、多数の神々を崇める文化が根付いていくうちに、ホメロスやヘシオドスといった古代の詩人や作家たちが登場し、伝承をモトにした戯曲や叙事詩などを創作していく。そうして、幾重にも絡み合った神話が作られていったのであろう。
ともあれ、ギリシア神話の世界で登場する複数の神々は、それぞれが個性的に描かれ、人間味を帯びた描かれ方(もちろん、神々しい話もあるのだが)をされている。人間相手に感情をむき出しにして、恋もすれば喧嘩もする(ときには人間に負けたりもする)のである。
絶対神ゼウスは、好色な神に描かれることが多い(前出の2.権力者たちによる血脈の改ざんのせいなのだろう。最高神は、人気があるがゆえに子沢山?)のだが、そのゼウスのエピソードをひとつ紹介しておこう。
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王女エウロペ |
下界を眺めていたゼウス(まさか、物色していたわけではないだろうが)は、地中海東岸のポイニキアに一人の美しい人間の乙女エウロペを見つける。見つけてしまったものはしょうがない。絶対神ゼウスは、妻ヘラに見つからぬようにこっそりとオリンポス宮を抜け出すと、ポイニキアの地に舞い降りた。
ゼウスは美しい牡牛に姿を変えて、エウロペに近づく。ゼウスの転じた牡牛は、白く美しい肌をと透き通った角、優しい瞳を持っていた。そんな美しい牡牛を見たエウロペは、とたんに気に入ってしまった。おそるおそる近づいてみると、なんと、その美しい牡牛はエウロペの手に接吻してくるではないか。エウロペは、優しい愛をまとった牡牛の行動に驚きつつも喜びに包まれた。
彼女は、美しい牡牛と慣れ親しんでいくうちに、ふと、牡牛の背中に乗ってみたくなった。エウロペが、その美しい肢体を背中に預けたことを確認したゼウスは、一気に駆け出した。突然のことに驚いたエウロペは、必死にしがみつくしかなかった。岸を駆け、遥かなる海をも駆け抜けていくうちに、海風にはためくエウロペの着ていた衣はひらひらと後方へと流れていった(つまりは脱がされちゃったってこと・・・)。
エウロペを乗せた牡牛は、クレタ島にたどり着き、エウロペに愛をそそいだ。ゼウスの愛を受けたエウロペは、ミノス、ラダマンチェスの二人の息子を儲けた。(エウロペが儲けた息子は三人で、サルペドンが加えられるという説もある)
エウロペ失踪の報を聞いたエウロペの父、国王アゲーノール(一説では、ポイニクスがエウロペの父となっている)は、王子たちに「エウロペの捜索命令」を出す。下された命令は「エウロペが見つかるまでは帰国を許さじ」という厳しい内容のものだった。しかし、文字通り神隠しにあったエウロペが人間にやすやすと見つかるわけが無い。困った王子達は、国に帰ることもままならないので、それぞれが行き着いた地で国を興す。
その中のひとり、カドモスを中心にテーバイの伝説が繰り広げられていくのだが、テーバイの伝説については、いずれ・・・また。
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エウロペ |
アゲーノールの娘。ヨーロッパという名の由来となっている。 |
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アゲーノール |
父は海神ポセイドン。母はリビュアー。エジプトからポイニキアに来た。 |
エウロペの息子たち |
ミノス |
その後、禅譲によりクレタ島の王になる。
没後、冥界の判事に任じられている。
ミノア文明のミノアは、ミノス王の名から由来している。 |
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ラダマンチェス |
兄ミノスと共に冥界の判事に任じられている。 |
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サルペドン |
リュキアの王であり大将 |
国王アゲーノールの息子たち |
ポイニクス |
ポイニキア人の祖先。 |
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キリクス |
キリキア人の祖先。 |
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カドモス |
テーバイを建国。 |
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クレタ島 |
ミノア文化発祥の地。
ミノタウロスやイカロス翼の話にでてくるラビリンス(迷宮)が有名。 |
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ミノタウロス |
ミノス王の妃パーシパエーが産んだ牛頭人体の怪物。
クレタのラビリンスに幽閉されている。
ミノタウロスの詳しい話は、またの機会に・・・・。 |
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いかがでした?まるでエロ漫画のような内容ちょっと、官能的じゃないですか?
堅いお話じゃないでしょ?
さて、そんなギリシア神話なのだが、とにかく話の数が多い。
トロイの木馬、北風と太陽、王様の耳はロバの耳、ゴルゴンで有名なアルゴー探検隊、ヘラクレスの試練、ミノタウロスのラビリンス、イカロスの翼、オリオンの矢、などなど。あげたらキリがない。
どんな人だってひとつくらいは知ってる話があるはずです。星座や星の名前だってギリシア神話と関係が深いんです。そして、現在の単語(特に英語)の語源になっているものも数多い(というよりも、ほとんどのものはギリシア〜ローマ文化から派生していると言っても過言ではないでしょう)。
とにかく、ギリシア神話というものは、今世に多大なる影響を及ぼしている神話でありまして、万人に馴染みの深い神話でございます。
馴染みがあればとっつき易いでしょ?読みたくなってきた?←勧誘かよ!!
てな、奇妙な出だしですが・・・
見てらっしゃい。読んでらっしゃい。ってコトです(笑。
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