ギリシア神話‐02‐
創造

はじめに混沌(カオス)あり
それは 計り知れぬほど 巨大なる深淵にて
ただ暗く 荒涼として とりとめも無かりき
 
開口

 えてして、神話というものは「はじめに混沌(カオス)があり・・・」といった感じのでだしが多い。
ギリシア神話の世界も、混沌(カオス)から大地(ガイア)が生まれ、闇(ニュクス)死(エレボス)が生まれ、愛(エロース)の登場となる。
笑ってはいけない。神話とはこんなものである。ちなみに、この世界観は、古代ギリシアの詩人達の描いたものである。
 大地(ガイア)は、地底の霞(タルタロス)を伴って天空(ウラヌス)を産む。
そのあと、大地(ガイア)は山々、海原などの主だった地上のものを次々と産み続ける。
あらかたのものが揃ったところで、大地(ガイア)天空(ウラヌス)と一緒に寝て、いくつかの息子・娘を産み、その一番最後に「狡知に長けた」クロノスを産み落とす。
 この大地(ガイア)の子供達が、ティターン(タイタン)という巨人族である。
 
ガイアとウラヌスの確執

 その後、大地(ガイア)は、円眼の巨人(一つ目の巨人)工匠の能力を持つ「キュプロープス一族」雷てい(プロンテース)電光(スペロペース)光輝(アルゲース)百腕の怪人(百の腕に五十の頭の巨人)で怪力の能力を持つ「ヘカトンケイレス一族」コットスブリアレオースギュエースを産み落とす。
 天空(ウラヌス)は、あまりにも奇怪な姿をしたヘカトンケイレス一族を忌み嫌って、産まれるたびに地底の霞(タルタロス)へとヘカトンケイレス一族を閉じ込めた。
 しかし、大地(ガイア)、これを不服として息子達に天空(ウラヌス)を鎌にかけろとけしかける。
だが、息子達の誰もが、父(ウラヌス)のことが怖ろしいと言い、母(ガイア)の言うことを聞こうとしない。そんな中で、末の息子のクロノスだけが母(ガイア)の意に従い立ち上がった。
 天空(ウラヌス)は、クロノスに不意をつかれて殺されてしまう。このときに天空(ウラヌス)が流した血は大地に受け取られ、月の力のもとに復讐の女神エリニュースが生まれる。
 クロノスは、父(ウラヌス)が掌握していた天地の支配権を自分のものにし、地底の霞(タルタロス)に投げ込まれていたヘカトンケイレス一族を連れ出した。
 ここに、父殺しクロノスの統治するティターン一族(合金チタンの語源)の世界が始まるのである。
 
キュプロープス一族
キュプロープス一族
ヘカトンケイレス一族
ヘカトンケイレス一族

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