ギリシア神話‐03‐ |
クロノスの子 |
すべての権限を掌握し、全能の神となったクロノスは、同じ父と母を持つレイアーを妻にする。
ここで、ひとつの予言(もしくは呪詛、または神託)がクロノスに告げられる。それは、「天空(ウラヌス)と同じように、クロノスもまた、自分の子に統治権を奪われるであろう。」というものだった。〜大地(ガイア)が夫であった天空(ウラヌス)を不憫に思い神託を下したとも、エリニュースの呪詛だとも言われている。〜
クロノスは、下された予言を怖れるあまり、産まれるでる我が子を次々と大いなるその腹の中に収めていった。
ヘスティアー、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドンと、我が子が夫に呑み込まれていくさまを見ていた妻レイアーは悲しみに包まれる。恨みにも似た悲しみである。
そこで、レイアーは一計を案じる。夫クロノスに気付かれないように、用心してクレタ島の洞窟に行くとゼウスを産み落とし、ニンフ達(アドラステイアー、イーデー、またはアマルテイア)に養育を託した。何食わぬ顔でクロノスのもとに戻ったレイアーは、巨石を産着に包むと、それを新たに生まれた子供だと偽って呑み込ませる。クロノス気付けよ。
ゼウスが成長したころ、大地(ガイア)がクロノスに吐き薬を盛る。〜なぜここで、大地(ガイア)がクロノスを裏切る行為をとるのかは不明だが、前出の予言が大地(ガイア)の信託だとして、自分の予言に従ったのだとしたら・・・・。大地(ガイア)は神なのだから、自分の直感で行動したということか?もしくは、大地(ガイア)以上の神(神託を下す者)の存在があるのだろうか?〜
ともかく、吐き薬を盛られたクロノスは、次々と今までに呑み込んだ自分の子供達を吐き出す。ゼウスは吐き出された兄弟達と結託して、父クロノスに戦いを挑む。
クロノス兄弟(ティターン)VSゼウスの兄弟(クロノスの子供達)という、壮大な親子での覇権争いこと、十年戦争の勃発である。
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オリンポスの神々による統治 |
ゼウスとその兄弟(クロノスの子供達)は、大地(ガイア)の勧めに従いキュプロープス一族とヘカトンケイレス一族を味方につける。キュプロープス一族とヘカトンケイレス一族は、喜んで神器(ゼウスには雷撃、ポセイドンには三叉戟、ハデスには姿消しの兜)を造って渡した。
これらの神器の力を得たゼウスとその兄弟達(クロノスの子供達)は、クロノス兄弟(ティターン一族)を地底の霞(タルタロス)へと閉じ込めてしまう。
ゼウスとその兄弟達(クロノスの子供達)は、クロノスが掌握していた世界を三分割すると、籤引きによって誰がそれを統治するのかを決めることにした。
籤引きの結果、ゼウスが天界、ポセイドンが大海、ハデスが冥界を統治することに決まった。が、事実上の実権は、天界を収めるゼウスが握るという形になった。
ゼウスを主神としたクロノスの子供達は、オリンポス山の山頂(雲の上)にある天宮を居住地として統治を始める。
安泰に思われたオリンポスの神々(クロノスの子供達)だが、ここでまた、厄介なことが起こる。(気紛れとしか思えないが)大地(ガイア)が地底の霞(タルタロス)に閉じ込められた自分の子達(ティターン一族)を不憫に思い、オリンポスの神々に不服を訴えてきたのだ。そして、木々を松明にし、山なみを放り投げるという「巨人族」ギガンテス(ジャイアントの語源)を、オリンポスの神々への刺客として差し向けてきたのである。
・・・ど、どうする?オリンポスの神々!!
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