歴史

金印 / 漢委奴国王印
 

一辺2.3cmほどの純金(金95.1%、銀4.5%、銅0.5%)の角印。

「後漢書」「巻八五 列傳卷七五 東夷傳」の記述に

〜建武中元二年 倭奴國奉貢朝賀 使人自稱大夫 倭國之極南界也 光武賜以印綬〜

がある。

建武中元二年(西暦57年) 倭奴国が貢物を持ってきた 使者は自分は貴族だと称した 倭国は極南の地である 後漢の光武帝は印を授けた

という意味であるが、
「倭奴國」「倭國」の解釈、読み方にいくつかの説がある。

私個人としては、同じ文中で「倭奴國」「倭國」と違う表記をしていることが何か意味があるのではないか?と思っている。
「倭奴國」を「いとこく」とする説があるのだが。だとすれば「倭國」のほうは?となる。
「奴」という字の意味が何かあるはずだ。

 
金印「漢委奴国王」の印字
色違い2パターン〜実際に使用した場合、字を掘ったものなので白抜きの文字の右パターンとなる〜
 


金印の模造品(焼き物)
 


 

日本語 [音読み]ワ、イ [訓読み]やまと
中国語での読みは ゥオ、ウェイ なのでほぼほぼ ワ だと言える(かも)

中国の正史(古書)で「倭国」「倭人」などの表記があり、日本、日本人を指した単語である。


全く関係がない話かもしれないが、津軽弁で「わ」とは「私」のことである。
 

邪馬台(臺)国 / 邪馬壱(壹)国
 

卑弥呼が治めたという邪馬台国は、「三国志」の「魏志倭人伝」に書かれている。
現存する「三国志」の写本では「邪馬壹国」と表記されている。
これについては、
・「臺(台)」の字を誤写した
・「壹(壱)」の字は誤写ではなく「邪馬壱(壹)国」/「やまいちこく」が正しい
という風に説が分かれている。

台 の旧字は 臺
日本語 [音読み]ダイ、タイ [訓読み]うてな、しもべ
中国語での読みは タァイ

壱 の旧字は 壹
日本語 [音読み]イチ、イツ [訓読み]ひとつ
中国語での読みは イー

【朝貢するために後漢に送られた使者が「我々は大和国から来た」と話した「ヤマト」の発音に漢字を当てはめて「邪馬台」と表記された】という説があるのだが、
邪馬台国 だと、中国語読みで シィエ・マー・タァイ・グゥオ
邪馬壱国 だと、中国語読みで シィエ・マー・イー・グゥオ
語感的には「台」の方かな・・・と言いたいところだが
そもそも「邪」(シィエ)が「ヤ」じゃないじゃん。
「ヤマト」の発音を漢字にするなら「牙馬都(ヤ・マー・ドォウ)」とか「牙馬投(ヤ・マー・トォゥ)」じゃないのかね?

ただ、「牙」に「おおざと」を付けたのが「邪」

牙 の日本語 [音読み]ガ、ゲ [訓読み]きば、は、さいとり
中国語での読みは ィア

邪 の日本語 [音読み]ジャ、シャ、ヤ [訓読み]よこしま
中国語での読みは シィエ

邪 の日本語音読みに「ヤ」があることを能天気に深読みすれば、もしかしたら昔は中国読みでも「ヤ」と読んでいたのかもしれない。

とはいえ、今も昔も中国は広い。地域によって「読み、発音」は違ったりするのかもしれないし、通訳を介したりすればこれまた複雑な展開になっちゃったりもしちゃうのであろう。

三国志の時代には、魏、呉の二国が日本(の地域に存在していたであろう豪族)と何らかの交流があったらしい。
おそらく、魏と呉(蜀を含めても)では言葉の多少の違い(方言的なものも含めて)はあっただろうから、その辺も影響するのかもしれない。
 


 

日本語 [音読み]ド、ヌ [訓読み]やっこ、やつ
中国語での読みは ヌゥー

「後漢書」には倭奴國。「魏志倭人伝」には奴國、狗奴國が出てくる。

もしかしたら、「奴」というのはただ単に「書いた側から見た他の民族」なんてことはないだろうか?
倭のヤツの国、狗のヤツの国、ヤツの国

専門家から鼻で笑われるような気もするが・・・。
 
   
歴史の中で度々おこなわれた焚書、禁書。
焚書、禁書とは、権力者が書物を処分したり禁じたりして、書の内容の思想を抑えつけた(消した)行為である。

秦の始皇帝(丞相の利斯が建議)が行った焚書坑儒(主に儒教関係の書物が焼き払われた)が有名。

焚書・禁書で失われた書の中には、もしかしたら現代での歴史の謎が解明される内容が書かれたものがあったかもしれない。
他に戦乱や災害などで書(もしくは他の記録媒体)が失われてしまったケースもいくらでもあっただろう。
どんなくだらない物でも、取っておけば何かの役に立つ日が来るかもしれないなぁ〜と思ってしまう

いやいや、断捨離は大事だけどね。焚書・禁書はいけませんって話。

落書きが歴史的価値を生み出す日が来ることもある・・・?
  2020年7月19日記   

参考資料


新版 日本史新聞/日本文芸社


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